ごきげんさんに暮らすまち、尼ノ國

築城奉行日記

 拙者の奉行日記、二回目の更新となる。それにしても、水無月は雨が心配な季節であった。

六月八日『民の想いに、気が引き締まったでござる』


 尼崎城プロジェクト本格始動から、ちょうど三週間が経った。

 『一枚瓦寄附』や『一口城主寄附』の申し込みが毎日たくさん来ているとは思っていたが、早くも寄附が一千万円を超えたそうだ。皆、城が再建されることに大きな期待を持っておられる。尼ノ民の城に対する思いを聞いていると、拙者も心が熱くなってくる。
 
 そういえば、『一枚瓦寄附』では、秋ごろに瓦の記名会を考えているが、そろそろ具体的な段取りを決めていかねばならない。これだけの熱い想いを持った民の期待を裏切るわけにはいかない。しっかりと計画を考えないと。お祭りのように盛り上がれる方法はないものか。

六月十五日『役所の若手職員に研修したでござる』


現在の建築現場の様子。どんどんできあがっているでござる!

 今日は尼崎市役所の若手職員に、尼崎城プロジェクトについて研修を受けてもらい、これから再建される尼崎城のことや城周辺の工事について学んでもらった。研修の最後には、尼崎城が再建されたらどんなことをやってみたいか考えてもらったのだが、色々とおもしろい案が出てきたので、忘れないうちに日記に書きためておこう。
 
 まずは、城を使ってプロジェクションマッピングなるものをやってみたいというものだ。映写機を使って城に動く絵を写すというものらしい。これは迫力があって楽しそうだ。あとは、コスプレイベントをやってみたいというものもあったな。なにやら、自分のなりたい人の衣装を着て見せ合ったりするそうだが、それがしは一年中同じような格好じゃ。違う格好をするというのは少し勇気がいりそうだが…忍者の格好とかはやってみたいものだな。
 
 いやはや、まこと若者の考えというのは、拙者とは違った発想でおもしろいものである。尼崎城プロジェクトにはもっともっと若い人が参画してもらえるよう考えねばならないな。

六月十六日『書道パフォーマンスはすごかったでござる』


 朝から尼ノ國の取材があった。工事現場では、尼崎城の再建を取り仕切る責任者、松井建設の佐々木工事長殿と一緒に取材を受けた。詳しくは、尼ノ國のサイトに掲載されたらしい。多くの民に見てもらいたい。

 この日はもう一つ大きな仕事があった。尼崎市立双星高校の書道部に、尼崎城ラッピングバスのデザインに使う文字を書いてもらう約束をしていたのだ。
 


 大きな紙に書かれた文字は、生きているかのようにさまざまな表情を見せている。大きな筆で身体全体を使って書きあげるその姿は、一瞬の気も抜けない、言うなれば筆を使った己との戦のようでござった。仲間と心をひとつにして書道に真剣に向き合う姿は、これからの尼ノ國の未来を表しているようであった。
 

六月二十日『尼ノ民の想いが、拙者の原動力でござる』


 尼崎城への想いをいっぱい聞いてきたが、それらを残していくため『尼崎城への想いノート』を作った。城内まちづくり推進課に置いておくことにしたので、このノートが熱い想いでいっぱいになる日が来ればうれしいものだ。ただ、郵便振込みの一枚瓦寄附は直接会う機会が無いので、寄附していただいた人からの想いを書いてもらう機会がないものだろうか。


 さて、今日は尼崎城プロジェクトを広く知らしめるために、かねてからホテル「ホップイン」アミング殿にギャラリーという展示場所を貸していただいているのだが、記名会に使う瓦などの展示を行った。これを見て、尼崎城の再建をもっと知ってもらいたい。

六月二十四日『あまゆーず結成15周年でござる』


 尼崎城の建築工事は相変わらず順調だ。尼崎城の再建を願う民たちの想いがそうさせているのだろう。そろそろ、ここらでみんなで盛り上がれるものが欲しいところだ。

 少し前に、尼ノ國出身の「あまゆーず」殿が結成15周年を記念して歌のお祭りをすると聞いたので慌てて申し込んでいたのだが、そのお祭りに行ってきた。会場のあましんアルカイックホール・オクトは観客で全て埋まっていた。多くの歌を披露していたが、なななんと、尼崎城をイメージした歌を歌っているではないか。ゆっくりと流れるその歌は、聴くものを四百年昔の尼崎城の世界へ誘っているようだった。

 それにしても、やはり歌というものは良いでござるな。皆の心をひとつにしてくれるような心地がする。本格的に尼崎城の歌を作りたいものだ。


取材・文 尼ノ物書キ組

馬場之介

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