ごきげんさんに暮らすまち、尼ノ國

築城奉行日記

葉月、長月、神無月がめまぐるしく過ぎて行った。駆け足になるが、振り返ってみよう。

八月二十三日「『タイムラプス』って何じゃ?」

 かねてより、多くの尼ノ民に尼崎城再建に関わってもらう方法は無いものかと考えておったが、ついに拙者の考えが実現した。尼崎城再建の記録を、カメラやスマートフォンなるもので撮影してもらうのだ。それをたくさん集めれば、パラパラ漫画風の映像が出来上がるというわけだ。難しい言葉だが、「タイムラプス」と言うらしい。


 撮影台を設置した中央図書館に行ったところ、二人の尼ノ民が撮影台を不思議そうに見ておったので、タイムラプスの説明をし、その後も話が盛り上がった。話の中で、城が再建されたら尼ノ國の評判が上がり、尼ノ民が尼ノ國に住んでいることを誇りに思うであろう、との言葉を頂戴した。拙者の仕事は、ただ城を再建することではなく、まちをつくり、まちを誇りに思う人をつくることなのだと、改めて思った一日だった。

九月十日、十七日「祭りじゃ!祭りじゃ!」

 十日は「大庄まつり」、十七日は「園田カーニバル」に行ってきた。いつの時代も祭りは心が躍るものじゃ。


 今回から、尼崎城を知らしめるために「五色うちわ」を用意した。これは、もっと尼崎城のことを知ってもらいたいと、若い家来が考えて作ったものだ。うちわであれば、手元に置いてもらえるのでは、という考えで思い付いたらしい。暑い日だったので、うちわは飛ぶように尼ノ民の手に渡って行った。家来の想いも受け取ってもらえたような気がした。

十月十五日「第一回瓦記名会を開催したでござる」

 かねてから開催を熱望していた「瓦記名会」が、やっと実現した。これは「尼崎城一枚瓦寄附」をしていただいた方を対象として、実際に城に使われる瓦に、名前などを自由に書き込んでもらう事業である。


 当日は残念ながら雨模様で、足もとの悪い中尼ノ民たちは来てくれるのだろうかと不安であった。しかし開始時間になると、老若男女、遠くは栃木や埼玉からも人々が駆けつけてくれた。城が末長く愛されるようにと願うなど、それぞれに色々な想いを瓦にしたためておった。みなの笑顔を見ていると、目の前がぼやけてくるではないか。きっと、この雨のせいであろう。
 記名会はあと5回ほど開催予定だ。さあ、次の対象者に案内を送る準備じゃ。


取材・文 尼ノ物書キ組

馬場之介

ページトップヘ