交通公園(西武庫公園)が地元で愛される理由

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 武庫地区にある西武庫公園をご存知ですか?「交通公園」という名前の方が、馴染みがある人が多いかもしれません。この公園には横断歩道や信号機など、「なぜこんなものが公園に?」と思うものがたくさん設置されています。これは公園が開設された昭和30年代、自動車の増加で交通事故が増え、公園内で子どもたちに交通指導できるようにと整備されたからなんだとか。実際に、近隣の子どもたちが交通ルールを学んでいる姿をよく見かけます。
 今回は、「交通公園」の成り立ちや楽しみ方、当時の武庫地区について市内の親子が突撃インタビュー!その様子をお届けします。


写真、武庫地区のお住いの矢倉さん親子

 今回突撃インタビューしてくれたのは、武庫地区にお住まいの矢倉さん親子。娘さんのひめなちゃんと一緒に、普段からこの公園をよく利用しているそう。まずは公園の成り立ちを聞きに、尼崎緑化公園協会の辻田さんのもとへ。


尼崎緑化公園協会では、西武庫公園でどんなことをされているんですか?


尼崎緑化公園協会の辻田さん

ここはもともと、兵庫県が管理する公園でした。それが市に移管され、平成24年から尼崎緑化公園協会が管理しています。年に15回ほどゴーカート交通教室のみなさんが「ゴーカート教室」を開催して、子どもたちに交通の仕組みを学んでもらっています。市内の子どもたちは、だいたいここで学んでくれているんじゃないですかね。
 また、貸し花だんの「分区園」や貸し農園の「あまがさき健康ファーム」もあります。


貸し花だんのチューリップ、いつもキレイですよね!


だいたい2か月ごとに、いろいろなイベントを実施しています。桜まつりやフリーマーケット、夏には親子まつりでもにぎわいます。中でも秋の「武庫まつり(正式名・ふれあいひろば武庫21)」が一番大きいですね。


写真、取材をする矢倉さん親子

実は私、小学生の時に武庫まつりのステージに出演したことがあるんです。市報あまがさきで出演者募集の記事を見つけて応募して、SPEEDを歌って踊りました(笑)。子どものころの一番の思い出ですね。


そうだったんですね!そんなつながりがここで判明するとは(笑)。そのステージ企画を実施してから、武庫まつりに若い人がたくさん参加してくれるようになったんですよ。ところで矢倉さんは、普段からよく親子で公園を利用されているんですよね?


写真、話を聞く矢倉さん親子

そうなんです。おまつりに参加するのはもちろん、主宰している「ママフラ」というママサークルで初開催したお花見のイベントも、この西武庫公園でした。この公園はフラットで遠くまで見渡せるから、ママたちでお話をしながら子どもたちを安心して見守れるんです。「見通しのよさ」は、ママたちにとって公園選びの大切なポイントのひとつですね。


写真、対話する矢倉さん親子と辻田さん

なるほど!ほかにも、ママ目線で何かありますか?


武庫地区は転勤族が多いから、地域の情報を知らない人も多いんです。そんなママに公園情報を教えると、すごく喜んでもらえますね。
…ってなんだか、逆取材みたいになってきましたね(笑)。では辻田さん、西武庫公園の楽しみ方なんかを教えてください。


まるで道路上にいるようですが、公園内なんです

交通ルールを学べる公園は、全国にもなかなかないと思います。小さなお子さんも安心して、横断歩道の渡り方なんかを実際に体験してみてください。140台分の駐車場がありますので、遠方からも便利ですよ。さっき話にも出ていましたが、サクラの季節は本当にキレイで、今年もにぎわいました。ぜひみなさんお越しください。


辻田さん、ありがとうございました。

続いて、「公園がある武庫地区ってどんなところなんだろう?」ということで、時友西会館で、武庫第10社会福祉連絡協議会(武庫之荘8丁目一部、9丁目の新幹線沿いの自治会・町会)の古田会長と木村会長、久保さん、堀江さんに突撃インタビュー!


古田会長は長い間、まちの移り変わりを見てこられたと思います。公園の周辺や、会長がお住まいの時友を含め、武庫地区はどんな風に変わってきたか教えてください。


10連協の古田会長と矢倉さん親子

昔は西武庫公園の周りなんかはほとんど砂地の畑でしたね。常吉神社ってあるでしょう。あれは昔は公園の北東にあったんですよ。公園ができるときに、今の常吉1丁目に移設されたんです。メジロやウグイスなんかの鳥がたくさんいて、鳥黐(とりもち)を使って捕まえて飼っていましたね。


えー!ウグイスがいたんですね!びっくり!


写真、話を聞く矢倉さん親子

公園の周り以外も田畑が多くて、民家は少なかったんですよ。それが昭和30年代に市の南側に工場地帯ができて、そこで働く人たちのための公営住宅が武庫地区に急増しました。
そうそう、この写真を見てください(と言って、昔の航空写真を見せてくれる)。


昭和35年の武庫地区の様子(尼崎市立地域研究史料館編集「たどる調べる尼崎の歴史 上巻」から)

ここが阪急武庫之荘駅ですね。わー!駅の南側、何もない!


そうなんです。南側は田畑だけで、今では考えられないですけど、駅の改札も北側にしかなかったんですよ。

(一同、びっくり!)


写真、地図を指で指しながら説明する古田会長

今は武庫之荘駅周辺は、武庫地区の中でもとてもにぎわっていますよね。時友も昔は子どもがたくさんいたんですが、今は高齢のひとり暮らしが多い。若い世代の人たちにも住んでもらえたらなと思います。太鼓台やだんじりが出るおまつりもあるんですよ。


子どもたちが喜びそうですね!


左から、堀江さん、久保さん、木村さん、古田会長

それから、まちの地形を知っておくのも、小さなお子さんがいるご家庭には大事なことですね。時友のあたりは周りより低くなっているところもあるので、大雨が降ったときなんかは水が溜まりやすいですね。大きな震災のときは、地形の関係で市内より隣の伊丹市の方が水が出やすい、なんてこともありました。


えー!!そうなんだ!!地図を見ただけでは分からない、まちをよく知っているからこそ分かることですね。そういう緊急時の情報って、子育て世帯には死活問題。普段から、まちのいろんな世代の人とお話しして、そういったことを教えてもらうのも大切ですね。

「実家はこの辺りかなぁ」なんて言いながら昔の航空写真を眺める矢倉さん。実は時友西会館のすぐ近くがご実家ということに盛り上がって、インタビューは終了。ひめなちゃん、長い時間の取材、お疲れ様でした!とってもお利口さんでした!


施設案内 西武庫公園(市役所/外部リンク)