大阪5分。下手すりゃ大阪よりも近い尼

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写真、インタビューに答える職員
企画財政局 シティプロモーション推進部 都市魅力創造発信課 藤平さん、武富さん

 「尼崎は子育てしやすいまち?そうでないまち?」
 「子育てしやすいまち」と言われ、尼崎を挙げる人は一体どれくらいいるのだろう。自らも二児の母であり、「尼ノ物書キ組」局長の坂本恵利子が、その疑問を解決すべく市役所へ。「あれも、これも」と聞いてきました。

通された部屋は、思いのほかこじんまりしていた


写真、インタビューに答える職員

 「企画財政局 シティプロモーション推進部 都市魅力創造発信課」。市役所きっての華やかな課と思いきや、通された部屋は予想以上にこじんまりしていた。けれど、取材対応してくれるお二人は、いかにも仕事ができそうなスマートな雰囲気。さて、彼らからどんな答えが聞けるのか。

「尼崎は、大阪まで5分」。よく聞くこのフレーズ。これは、一体どこからどこまでを計った時間だろう…。そんな、素朴な疑問からスタート。


写真、尼崎市が発行する様々な冊子

大阪まで5分!これだけ聞くととてもアクセスがいいよう聞こえますが、尼崎はそんなに利便性が高いのでしょうか?


5分というのは、JR尼崎駅からJR大阪駅の区間で、新快速などに乗車した場合の最短時間です。


JR尼崎駅は、確かに便利ですね。でも、他の場所からもアクセスがいいと言えますか。


市内に駅が13もある尼崎。その13駅どこからでも大阪へ行きやすいですし、全ての駅に駐輪場があるので、自転車での移動もすごくラクなんです。さらに、バス路線も充実。市内の隅々まで走るバスは、市民の重要な移動手段になっています。市営バスは民営化されましたが、「ICOCA」「PiTaPa」などICカード乗車券も使えるようになり、サービスも向上しました。まさに「車がなくても暮らせるまち」と言えますね。


写真、インタビューに答える職員

近隣の西宮市などに比べて、子育て世代の人気は大きく水をあけられた感があるんですけど、やはり子育てに適さないエリアなのでしょうか?


そんなことありません。いや、むしろぴったりです。まず、保育所は、近隣市と比べても入所しやすいです(平成28年の待機児童は、47人)。また、幼稚園に保育所機能を備えた認定こども園が6施設もあるのも特徴です。山がない、坂も少ないので、自転車での移動もスムーズ。市内で働く方も多く、移動範囲がせまい分、「子育てがしやすいまち」と言えるのではないでしょうか。そのほか、大規模ショッピングセンターが多い。医療機関も多く、休日・夜間の医療も対応しています。

関西の198の自治体をランキングしていくテレビ番組で、「医療系ジャーナリストなど専門家が選ぶ医療が充実している街」として、尼崎市は198市町村中なんと4位に選ばれたんですよ。某住宅情報誌では、「穴場なエリア」として、阪急塚口駅とJR尼崎駅が取り上げられていましたが、私もこんなに便利な場所はないと思います。


写真、3歳からのあまらぶブックを手に説明する職員

 また尼崎では、市内に住む3歳になる子どもさんの誕生月に「親子で住み続ける尼崎~3歳からのあまらぶBOOK~」を届けています。保護者の方が気にされている尼崎の環境や学力、小学校の状況をお知らせするとともに、マイホーム取得に関する他都市にない利点も紹介。市職員が1枚ずつ気持ちを込めて書いた手紙のお祝いメッセージを同封するのも珍しいのかもしれません。


尼崎が好きな人を「あまらぶ」な人と言っているんですね。「あまらぶ」な人を増やすために、都市魅力創造発信課では何をしているのでしょうか。


尼崎の魅力を体験して、尼崎のことをもっと好きになってもらい、尼崎の良さをより多くの人に伝えていただけるように、工場夜景撮影ツアーや阪神電車車両基地見学会など「あまらぶ探検隊」として、さまざまな企画を組んでいます。阪神電車車両基地見学会では、企業の方が参加者に吊り輪を無料でプレゼントするという驚きのサービスも(笑)。


写真、エーラボの展覧会の準備をする職員の様子
「A-Lab」ギャラリーの壁はボランティアの皆さんと市役所の職員が手作りで作成

また、西長洲の旧公民館をリノベーションし、あまらぶアートラボ「A-Lab」がオープンしました。アートラボでは若手アーティストの発表・創造の場として活用し、若い人の夢やチャレンジを応援しています。また、アーティストによるワークショップやトークイベントも開催しています。

リノベーションをした去年は、キーボードを打つより、インパクトドライバーでネジを打っていた方が多い日もありました(笑)。面白いのは、毎回違う友だちを連れてくる常連の子どもがいること。おせっかいな尼のおばちゃんみたいでしょ。でもすごくうれしいですね。


都市魅力創造発信課というぐらいなので、勝手に派手なイメージを持っていたけれど、「あるものを使う」ことで、お金を使ってない。むしろ地味?これがアマ流?


最後に尼崎を一言で表現すると、なんでしょう?


写真、インタビューに答える職員

「多様性」でしょうか。それぞれのまちが発展していて、JR、阪急、阪神沿線など、沿線ごとに地域の特徴があり、自分のライフスタイルに合わせて選ぶことができることですね。

今回の取材で感じたこと。「尼崎のイメージが悪い」というのは、もしかして市民が「穴場感」を守りたいがために、自ら流している防衛策なのではないかということ。「万人に好かれなくてもいい。わかる人が、わかってくれたらええんや~」的な。結論!尼崎は、かなり穴場。子育て世代にもおすすめですよ。


写真、インタビューに答える職員
写真、尼崎市のパンフレット
写真、インタビューに答える職員
写真、インタビューの様子
写真、インタビューに答える職員
写真、インタビューに答える職員
写真、パンフレットを手に写真撮影する職員
写真、3歳からのあまらぶブック
写真、インタビューに答える職員