ごきげんさんに暮らすまち、尼ノ國

尼ノ学校

 他府県や他市から転校してきた子どもたちは「給食がすごくおいしい!」と驚くそうです。尼崎市の給食がなぜ、おいしいのか。その理由と「給食の今」を探りに、尼崎市教育委員会の管理栄養士さんにお話を聞きに行きました。

Q. 尼崎市の給食は、他市と何が違うのでしょうか?


主に、7点が挙げられます。

  1. ほとんどの小学校が給食室ドライ化整備工事を完了し、スチ-ムコンベクションオ-ブンを設置するなど、他市より充実した最新の設備により、安全安心な学校給食を提供していること。
  2. スチ-ムコンベクションオ-ブンを使った、食べやすいヘルシ-メニュ-、手作りの献立(焼きもの、蒸しもの、デザ-トなど)が、バラエティに富んでいること。
  3. 自校炊飯による、ふっくらあたたかいご飯を提供していること。
  4. 三品献立(主菜、副菜、汁物)を、週3.5回実施していること。
  5. 給食がすごくおいしいことです。 汁物のおだしは、和風の時は煮干しやけずりぶし・だし昆布を使い、中華ス-プのときはとりがらを使って、おいしくて身体に良い、素材の「うま味」を活かしていること。
  6. シチュ-などのルーは、小麦粉などを使い給食室で手作りしていること。
  7. ポ-クカツやチキンカツなどは、給食室で衣をつけていること。

などです。

Q. 調理で工夫している点はありますか?


だしにはこだわっています。料理によって4種類(鰹節、煮干し、昆布、鶏ガラ)を使い分けているんです。だしのうま味によって、素材の味が引き立てられ、調味料を極限まで控えることができます。優しくて飽きのこない味で、素材の「うま味」を活かしています。子どもたちは、毎日の給食を楽しみにしてくれて、みんなが「給食大好き」って大きな声で応えてくれるのが、とってもうれしいです。

Q. 食材の産地は決まっているのですか?


地産地消に力を入れていて、お米は毎回、兵庫県産です。小松菜、しろな、ホウレンソウ、青ネギなどの葉物野菜も、季節によっては尼崎産です。野菜が苦手な子どもも「尼崎でとれた野菜だから」とがんばって食べてくれます。その日の献立の産地は給食室で紹介しているので、農業や物流を学ぶ機会にもなっているようです。尼崎市制100周年だった昨年は、伝統野菜の尼いもと尼崎産のお米を使った尼いもご飯や、『尼の生醤油』という尼崎特産のお醤油を使った副菜を提供したんですよ。ホクホクして甘みのある尼いもご飯は「おいしい!」と評判でした。今年も尼崎産の食材を使った献立を企画する予定です。

Q. アレルギーをお持ちのお子さんも増えています。どのように対応していますか?


アレルギーをお持ちの場合、保護者に献立表をチェックしていただき、原因となる食品を取り除いた「除去食」を提供しています。ただ、どうしても除去が難しいおかずもあるんです。その場合は、おうちからおかずを持ってきていただいています。


アレルギー対応用のスペース

除去食の調理は、給食室内のアレルギー専用の調理スペースで、アレルギー対応用の調理器具や容器を使い、エプロンも替えています。

Q. 献立にアイスクリームがあって驚きました。子どもの反応はいかがですか?


学校給食用に開発された、添加物のほとんど入っていない、あっさりとしたアイスクリームで、とてもおいしいと子どもたちに大人気です。アイスクリームの日は、朝からみんな笑顔で、ソワソワしているのが伝わってきます。食べ終わったクラスから、給食当番さんがアイスクリーム引換券を給食室に持っていくシステムなので、その日はどのクラスも食べ終わるのが早いんですよ。

Q. アイスクリームやカボチャプリンなどのデザートの他に、給食にお楽しみはありますか?


「セレクト給食」と「バイキング給食」です。「セレクト給食」は2品以上から自分の好きなおかずを選びます。友だちと相談したり、先生から「こっちのおかずもおいしそうだよ」とすすめられたり、楽しい時間です。「バイキング給食」では大皿に盛ったたくさんのおかずから選びます。事前に栄養バランスの指導があるので、自分の身体や食欲、栄養バランスを考え、食べきれる量を上手に選んでいますね。

Q. 給食で、栄養面以外に他に学べるポイントはありますか?


他の国の食文化を知ることもできます。中国や韓国、インド、イタリアをはじめ、リオ・オリンピックの年にはブラジルの料理を出しました。日本の選手が活躍するオリンピックは子どもたちの関心も高いので、この機会にブラジルという国を知ってもらいたかったからです。ブラジルに在住していた方にご協力いただき、食べやすくアレンジしました。「他の国の料理も食べてみたい」とリクエストが出たので、子どもたちの好奇心を刺激する献立をこれからも企画していきたいですね。

Q. 尼崎が給食にこれほど力を入れているのは、なぜでしょう?


味覚は幼い頃に形成されると言われています。給食は一日のうちのたった一食ですが、素材やだしの味を身体に覚えさせ、食の知識を学び、栄養素や食べる量のバランス感覚を養える「生きた教材」です。先生方が目を配ってくださるので、食べ方やマナーも身につきます。

私たちが願うのは、子どもたちが親になったとき、食の知識や楽しかった給食の思い出を次世代に伝えていってくれたらいいなぁということ。そのためにも、私たちは「よりおいしく、楽しい給食」をめざして取り組みます。

心がホッと落ち着く和食中心の給食に、バイキングや珍しい献立などのお楽しみがプラスされる「おいしくて楽しい給食」が理想です。給食が、学校に行きたいという動機の一つになっていると嬉しいですね。

Q. お子さんを持つ方々に一言、お願いいたします。


子どもの食を支えているのは、やはりご家庭です。ご家庭にもいろいろな食の情報を発信していきたいと考えています。給食を食べているときの子どもたちは、いつも笑顔、笑顔、笑顔……。楽しい話題がたくさん出てくると思いますので、ぜひ、ご家庭でも給食の話をしてほしいですね。


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取材・文 尼ノ物書キ組

谷口雅美

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