ごきげんさんに暮らすまち、尼ノ國

尼ノ学校

 尼崎市の小学校・中学校では、「放課後学習」を実施しています。

 放課後や夏休み・冬休みなどの長期休暇中、教員OB・OGの方や大学生、教員が子どもたちの自主学習をサポートしているのです。「放課後学習」によって、学力が定着し、学習習慣を身に付けることができます。

 園田中学校では、毎週土曜日の午前中に「放課後学習」(通称「土チャレ」)が行われています。中学1年生・2年生クラスと、3年生に分かれており、子ども2人に指導補助の先生が1人という割合です。

 指導補助に来ている大学生2人にお話を伺いました。

<インタビュー1>

Q. 「土チャレ」の指導補助の先生を始めて何年ですか?


大学1回生から始めて、四年になります。園田中学校の卒業生なので、こうした形でまた学校に来るのは嬉しいですね。

Q. どういう形で指導をされていますか?


生徒さんが問題集などを持ってくるので、分からないところを一緒に解きます。家庭教師のような形ですね。「分からない」と言えない子もいますが、悩んでいるときはこちらから声を掛けます。

Q. 「土チャレ」の指導補助の先生をしていて、よかった点、大変な点はありますか?


「土チャレ」は人数が少ないので、個別で見てあげることができます。「あ、分かった!」「ありがとう」と言ってもらえたときは、やったぁ!と思いますね。

全教科を教えていますが、私は文系。生徒の質問にうまく説明できないな、と思ったら、その科目が得意な先生にバトンタッチしてもらいます。全教科を見るのは大変ですが、先生同士でカバーしています。

Q. ご自身の中学時代で印象に残っていることはありますか?


あいさつの大切さを教えてもらったことです。大きな声であいさつをすると気持ちが明るくなりますよね。うまくいかないときに、その明るさって大事だなぁ、と思います。

合唱コンクールも盛り上がりました。練習中に揉めることもありましたが、最終的には一致団結するのでとても楽しかったですね。

先生もすごく好きでした。中学3年の担任は英語の先生で、受験前にワークテキストを全員にくださったんです。「それを3回やってきなさい」って。同じテキストを3回やったおかげで、自信がつきました。先生のおかげです。

Q. 将来はどのような道に進みたいですか?


4月から小学校の先生になります! 小学生の頃からの夢でしたが、なりたいと強く思ったのは大学生になってからです。この「土チャレ」や塾で、中学生や高校生に勉強を教える機会が増え、「小学生の時から勉強だけでなく、勉強する習慣やいろいろなことをきちんと教えてあげたいな」と思うようになりました。

<インタビュー2>

Q. なぜ、「土チャレ」の指導補助の先生をしようと思ったのですか?


私も園田中学校の卒業生なんですが、姉が「土チャレ」の先生をしているのを見て、私も「やってみたい」と思いました。

Q. 指導で工夫していることはありますか?


すべてを教えるのではなく、考えるヒントになるような質問を投げかけて、子どもから答えを引き出せるように工夫しています。

Q. 指導していて、嬉しかったことはありますか?


以前、中学1年生の問題を解けない3年生がいたんです。でも、「土チャレ」に来るうちに、土曜日以外も勉強をするようになって、成績が上がりました。その子が希望していた以上の学校に合格したときは、すごく嬉しかったですね。

Q. 中学時代の思い出をお聞かせください。


園田中学校は生徒数が多いので、普通はクラスが一緒にならなければ、知り合う機会がないまま卒業ですよね。でも、この学校では廊下ですれ違ったときにあいさつしたり、気軽に声を掛けたりするので、友だちがたくさんできました。

先生と生徒の距離も近く、絆が強い。合唱コンクールの前日に、一人一人の机にメッセージを貼ってくれた先生がおられました。黒板に歌詞を書いた紙を貼っていたんですけど、その先生がいきなりビリビリッと破っちゃった。驚いていたら、紙の下に「みんなで頑張ろう!」みたいな熱いメッセージが書いてあって感動しました。

Q. 今後、どんなことをやってみたいですか?


私も4月から小学校の先生になります。中学校時代、友だちと教え合いっこする授業があって、友だちが分からないところを教えてあげたんです。「嬉しい、ありがとう!」って喜ぶ顔を見て、教える仕事をしてみたいと思いました。小学校でも子どもたちの喜ぶ顔をたくさん見たいですね。

「土チャレ」について、教員より


 家では集中できない子や、友だちと一緒だったら勉強も頑張れるという子が「放課後学習」に多く参加しています。「放課後学習」が始まって10年ほどになりますが、尼崎市の学力が上がったというデータも出ています。

 どの要因で上がったかは数値化できませんが、「土チャレ」に通い始めたことで「勉強せなあかん」というように意識が変わっていると思います。卒業生という気安さもあるのか、教えてくれる大学生には、我々教員よりも懐いてますね。年が近いお兄さんお姉さんに会うのが楽しみで「土チャレ」に通い続けて、志望校に合格した子もいます。

 最近は学校でも一方通行の授業だけではなく、生徒同士で教え合うグループ学習が増えてきています。今回来てくれている大学生のように、教える楽しみを知った子が「土チャレ」に来てくれたり、学校の先生になってくれたりすると嬉しいですね。


【尼ノ國 動画】卒業生から在校生へ、「放課後学習」学生インタビュー【撮影場所】尼崎市立園田中学校




取材・文 尼ノ物書キ組

谷口雅美

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