ごきげんさんに暮らすまち、尼ノ國

尼ノ学校

 尼崎市では小学生と中学生を対象に、読書に興味を持ってもらい、読書習慣をつける「読書力向上事業」を行っています。

 司書教諭や図書主任教諭を補助する、臨時職員や図書ボランティアを全校に配置し、本の貸出・返却や蔵書管理、子どもたちが図書館を楽しく利用できる環境づくりなどのお手伝いをしていただいています。

 補助職員は1校に1人いるため、子どもたちが安心して図書館を利用することができます。貸出冊数も入館者数も増えました。

 今回は、尼崎市の図書館教育に長年関わってきた長洲小学校の教諭と、補助職員にお話をうかがいました。

<インタビュー1 主幹マネジメント教員>

Q. 読書は、子どもの成長にどのような役割を持つのでしょうか?


本の中では世界中を自由に旅することができますし、お年寄りや魚になって、その気持ちを理解することもできます。良い本をたくさん読むことで想像力が養われ、心が豊かになるんです。そうした力は、実生活でも活かされると思います。

Q. どういう図書館を目指しておられますか?


授業に活用できる図書館、教育課程に寄与する図書館ですね。
例えば、国語で宮沢賢治が出てきたら、宮沢賢治作品をたくさん読んでもらいます。教科書以外の作品を読み、作者を知ることで、作品への理解も深まり、読解力、言語力もつきます。

Q. 図書館の環境づくりで気を付けておられることはありますか?


1つめは、「読んでみたい!」と思わせる工夫です。季節や行事、出来事などのテーマ別に分け、本の表紙を見せて展示しています。お勧めの本には目立つポップも貼っています。

2つめは、「図書館に行きたい!」と思わせる環境づくりです。飾りつけは毎月変えていて、7月は天井や窓に魚や人魚を貼って、「海の底」をイメージしました。クリスマスやハロウィンの時期は、子どもたちも図書館に来るのを楽しみにしてくれています。

Q. 図書館を利用する授業もあるそうですね。どんな授業でしょうか?


1年生から6年生まで学習指導要領に沿って指導しています。

3年生の授業では「ことわざとは何か」を学習したあと、クイズ形式でいろいろなことわざを紹介します。盛り上がったところで「図書館には、ことわざの本がたくさんあります。ほかにどんな言葉を使ったことわざがあるでしょうか?」と声を掛けると、子どもたち自身が興味を持って調べてくれるのです。いま、子どもたちは本当によく本を読みますから、学力向上に繋がるといいですね。

<インタビュー2 補助職員>

Q. 図書館を使ってもらうために、どのような工夫をされていますか?


面白そう、読んでみたいと思ってもらえるようにしています。

主幹の先生が本を紹介する「ブックトーク」は子どもたちに人気で、読んだことがないジャンルに挑戦するきっかけになっています。

それぞれの好みに合う本をお薦めすることもあるんですが、「面白かった!」と言われると嬉しいですね。最初は絵本を読んでいた1年生が字を覚えていって少し長めの本に挑戦しますので、レベルに合わせた本を薦めています。子どもたちの成長を見るのも楽しみですね。

Q. 読書が苦手な子にはどのように対応されていますか?


苦手な理由は必ずあるんです。字を目で追うのが苦手だったり、たまたま自分に合う本がなかったり。その理由を探り出し、「こういう本はどう?」とお薦めします。魚の図鑑ばかり見ている子に、魚が出てくる物語を薦めると、「じゃあ、読んでみる」と言ってくれます。そんな時は心の中でガッツポーズ! 「次は何を勧めようかな」と楽しくなりますね。

読書に親しんだ子たちも「この本の続きはないですか」「猫が出てくる本が面白かったから、他に猫が出てくる本はないですか?」と聞いてきます。どんどん興味が広がっていくのが、読書の面白いところですね。

Q. 「先生がお勧めする本」というコーナーがありました。子どもたちの反応はいかがですか?


お勧めしてくださる先生方に、手書きでお勧めポイントを書いてもらっています。特に担任の先生が勧める本は借りてみたくなるようで、このコーナーは大人気です。貸し出されてほとんど本がない状態になることもあります。

<図書館をよく利用する子どもさんにもお聞きしました>



「図書の先生は本をいっぱい知っていて、すごい! 本の読み聞かせをしてくれるときは、本の登場人物になり切っていて、うまいなぁと思いながら聞いています」
「ジャンルによって飾りつけが違うのでわかりやすいです。好きなのはディズニーのコーナー!」
「補助の先生が来てから、飾りがとても増えました。季節ごとに飾りも変わるので、図書館に来るのが楽しみです」
「本に出てくるキャラクターの指人形が、本の近くに置いてあるんです。その指人形の手触りがとてもよくて、お気に入りです」
「この前借りた本、声に出して笑っちゃうぐらい面白かった! また面白い本をいっぱい入れてください」

<オープンな図書スペース>


 学校によって、様々な工夫をされています。

 難波の梅小学校には、図書館以外にも本棚のあるスペースがあり、畳敷きや半個室型のフリースペースで子どもたちが読書やお喋りをゆったり楽しみます。図書館が閉まっている時間帯でも本を読むことができるので、子どもたちに好評。こうしたオープンな図書スペースは、園田小学校や成文小学校にもあります。


【尼ノ國 動画】本好きな子どもを育てる、「学校図書のしかけ」子どもインタビュー【撮影場所】尼崎市立長洲小学校


【尼ノ國 動画】本好きな子どもを育てる、「学校図書のしかけ」先生インタビュー【撮影場所】尼崎市立長洲小学校


【尼ノ國 動画】本好きな子どもを育てる、「学校図書のしかけ」図書館を利用している様子【撮影場所】尼崎市立難波の梅小学校



取材・文 尼ノ物書キ組

谷口雅美

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