学生生活

写真、会場の様子

 平成29年12月12日(火曜日)に尼崎市市政情報センターにて「子どもの学習支援とソーシャルビジネス」について、特定非営利活動法人Learning for All(ラーニング フォー オール)(以下、LFA)の李炯植(り ひょんしぎ)さんに講演いただきました。
 当日は市民、行政あわせて約40人の参加がありました。

 李さんは尼崎市のご出身。18歳まで尼崎で過ごし、東京大学に進学しました。そこで、尼崎時代の友人と東京大学に通う友人とを比較した時に、自宅の豪華さや言葉の使い方まで、同じ年齢の人間でも取り巻く環境があまりに違うことに疑問を感じ、このNPOの前身の団体に飛び込んだそうです。

 LFAは、親世代の社会的・経済的格差が子どもたちの学習や教育の格差につながり、その子どもたちが成長した際の社会的・経済的格差につながるといった”貧困の連鎖”を断ち切ることを目的としている団体です。経済的に困難を抱える家庭の子どもたちを対象に、質の高い教育を無償で提供する「学習支援事業」と、困難を抱える家庭の子どもたちに、家でも学校でもない第三の居場所を提供する「子どもの家事業」の大きく2つの取組を行っています。

 活動にあたっては、団体に関わる子どもたちを「かわいそう」と思うのではなく、「学ぶ権利と力を備えたひとりの人間」と捉えることや、学力面だけでなく、「情緒的発達」、「社会資源との繋がり」など幅広い観点から評価し、一人ひとりの子どもの発達段階に応じた対応をすること、子ども個人に関することだけでなく、家庭環境や社会との関係性など、その子どもの周りの環境をより良くする意識を持つことなどを大切にしています。

 学習支援事業では、地方自治体からの委託を受けて、LFAが採用した大学生ボランティアが子どもの学力、精神状態、家庭環境を考慮した個別カリキュラムを作成したうえで、無償の個別指導を行っています。
 子どもたちを指導する大学生は、約500人の応募の中から約250人まで絞りこまれ、合計50時間もの研修を受けています。質の高い支援を通じて子どもの「人生が変わる教室」を実現したいとおっしゃっていました。

 一方、子どもの家事業は、日本財団が推進する「子どもの貧困対策モデル事業」全国100拠点のうちの国内初の拠点で、「社会的存続の補完」、「地域チーム体制」、「貧困の連鎖を断つ解決策の検証」という大きなコンセプトを基に取り組んでいます。
 連携先は、学校、福祉、専門機関、地域など多岐にわたり、密接に子どもの情報を共有することで子ども一人ひとりの個別支援につなげています。

 目の前の子どもを救うだけでは根本的な解決にならないとお話される李さん。今現在起きている課題は、ベースに”社会モデルの変化”など目に見えていない課題があり、どこに介入するのが最も効果的か考える必要があるとのこと。

 困難を抱えた子どもたちの成長を保障するノウハウは海外の事例も含めて世の中には数多く存在しているはずであり、すべての子どもが適切な発達・学習の機会と自立が当たり前に保障される社会をつくるため、そうしたノウハウを成長を支える側の方々に届けることで実現可能であると考えておられます。

 また、人材育成面でも支援に参加した大学生を様々な職種で社会に送り出すことで、社会全体の課題解決につながることを目指しているとのことでした。


写真、会場の様子

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