なぜ人は働くの?園田のオトナたちが園田のコドモたちと生きる意味を考える「キャリア教育」の授業に参加してきました(平成31年2月26日)

6月にも紹介した、こどもたちが園田ゆかりのいろんな仕事をしている人の話を聞いて、働くことや生きることの尊さを知り、学ぶ意欲の向上を目指す園田公民館主催の「キャリア教育支援事業」。(←ここから見ることができます)
2月26日は今年度の最終回の授業の日。園田東小学校での授業に参加してきました。
今回の参加業種は弁護士、警察官、郵便局員、ネイルアート、高齢者介護施設、保険会社、ラジオパーソナリティ、アウトドアプロデューサーの9業種のみなさんです。

園田東小学校では3つの教室に分かれて、1チームで4つの業種のお話を聞く形態でした。1チーム15分の時間内にオトナのみなさんから仕事の内容について、じっくりと話を聞いたり、質問をしたり、仕事のプチ体験をしてみたり。
アウトドアプロデューサーの須佐美幸一さんとFMaiaiパーソナリティの武田康子さんがいらっしゃる家庭科室で、子どもたちとのやり取りをお聞きしました。
武田さんのお話は6月の学生生活に紹介されていますので、今回は須佐美さんのオシゴトを紹介します。
「私の仕事は、アウトドアプロデューサー。インストラクターでもコーディネーターでもありません」と須佐美さんは子どもたちに語ります。
須佐美さんは元フランス料理のシェフで、その後アウトドアショップで店長をされ、今は全国初⁉のグルメハイキングを企画運営しています。
グルメハイキングとは、山の上や渓谷などハイキング先で、ステーキやパスタ、アクアパッツァなど、元シェフの経験を活かした“グルメ”なランチがついたハイキングのこと。このハイキングコースの開拓や季節にあった料理の提供をプロデュースしているのです。なので、年間100日以上、山に登っているのだとか。
驚きなのは、調理器、食材はすべて須佐美さんが持参のうえ、すべて15分で完了を目指して調理しているとのこと。飲料水も持参です。
「お肉とか腐ったりしませんか」子どもたちの素朴な疑問が質問に。

「そうなんです。お肉がいたまないように、保冷バックにお肉を入れるのですが、その際、ケーキ屋さんなどでもらった保冷剤をとっておいて、お肉とお肉の間に挟んで冷たいまま山上にもっていくようにしています」
「お水は重くないんですか」
「2リットルくらいならお湯にした状態で自分で持ちます。スープや鍋料理を作るときは5リットルくらいほしいので、お客さんに1人500ミリリットル(ペットボトル1本分)ずつ持ってもらうこともあります」
「下見とかするんですか」
「炊事の場所やトイレの場所など確実に知っておくために下見は必ずしていますよ」
などなど。
最後に、須佐美さんから「『山の上で、こんな料理はできない』なんて先に考えていたらできません。『どうやったらできるかな』と考えれば大概の料理はできます。
みなさんも初めからあきらめるのではなく、どうすればできるかを考えていくようにしてくださいね」とアドバイスがありました。

この「キャリア教育」の授業の狙いは冒頭にあるように、大人たちが子どもたちに、仕事の楽しさや大変さを伝えることで、将来の職業観を身につけ、学びの意欲につなげることなのですが、小学生に仕事の内容や大切にしていることを伝えるために、大人のみなさんは自分の仕事を見つめなおす、また自分の仕事の本質をとらえ、小学生でもわかる言葉に置き換え、語らないといけません。
日々、忙しい日常を過ごす中で「自分の仕事」を見つめ、語る機会になっているのです。このお部屋にいた2人の話をお聞きして、子どもたち以上に私の方が興奮してしまいました。