学生生活


 中央北生涯学習プラザで開催された「防災×福祉セミナー みんなのぼうさい~ひとりひとりが輝く、防災と福祉の連携策~」に参加しました。
 このセミナーは、みんなの尼崎大学支え合い分野福祉学部の活動として、尼崎市ケアマネージャー協会と尼崎市福祉課が企画したもの。200人を超える参加者があり、この分野への関心の高さが伺われました。


 講師の災害ジャーナリズム論、災害情報論を専門とする関西大学教授の近藤誠司先生は、「常識を更新、補強する時期にきています。雨が止まない、災害級の熱暑猛暑が続いているでしょう」と意識の変革を促します。
 あわせて、「室内で、孤立や貧困を背景に低体温症で亡くなる人が増えています。防災と福祉は車の両輪です」と訴えます。



 福島県須賀川市では2019年に発生した台風19号により大きな被害を受けました。集合住宅の1階に住む高齢者が溺死。近隣の人はなぜ助けられなかったと後悔しています。この集合住宅は防災行政無線からたった20mの距離にありました。亡くなった方は老人福祉センターのカラオケが休みで家に帰ったところ被災したとのことです。

 2011年の東日本大震災では岩手県野田村の保育所は津波により園舎は押し流されましたが園児は全員無事に逃げることができました。その保育所は山の上までの避難経路を月に1回の散歩ルートにしていました。その途中の民家の庭を横切ることが近道だったことから、住人の協力を得て庭を横切る避難経路に変更したため、81人の園児が全員助かりました。

 この差はなんだったのでしょうか?「インクルーシブ防災、インクルーシブとは日本語で包摂、包み込むという意味ですが、お互いが出せる力をお互いが出し合う防災が見直されています」と近藤先生は語ります。


後半は、防災分野、福祉分野からゲストを迎えてのクロストーク

 全国的に障害者との交流会、地域の人と小学校の使い方を考える交流会などが始まっているそうです。障害者の方が避難所となる小学校、体育館に入れるか?車いすで通れるかどうか段差や幅を点検したり、トイレが使えるかどうか確認していきます。

「防災・福祉ってまちづくり。自分たちで踏ん張ってもたちゆかない。仲間を増やしましょう。例えば、災害時に困ったことはと伺うと断水、停電が上位にあがります。カセットボンベ式の発電機は8万円と高額です。またPHV車(コンセントからバッテリーに充電できるハイブリッドカー)がご近所にあったら要チェック。こうしたものをお持ちの方と普段から知り合いになり、いざというとき助けてもらいましょう。」と近藤先生。



「そのためには、みんなが北風と太陽の『太陽』に。防災の北風と太陽。おどしの北風ではなく、一緒にやろう、と担い手になる『太陽』に。」なる必要があるとおっしゃいます。

 地域のお祭やふれあい喫茶など、普段からのご近所づきあいが深まる取り組みが改めて大切なのだと気づきました。そうした積み重ねを経て、誰かだけがしんどい思いをするのではなく、みんなで力を出し合うことでお互いが笑顔になり、大きな力やアイデア、工夫が生まれるとのこと。
 防災・福祉だけでなく、イベントの企画や計画づくり、クラスやクラブ、サークル活動、ひょっとすると親戚・きょうだいとの関係づくりも、すべてに共通することかもしれませんね。



この記事を書いた人

みんなの尼崎大学生 立石 孝裕(武庫地域振興センター) 

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