オープンキャンパス

 2022年6月4日(土)は、今年度はじめてのみんなの尼崎大学オープンキャンパスを開催しました。今回の企画は「せめる!尼崎運河」と題して、運河クルージングの体験や変わりゆく工場地帯ときれいになった水質を見学して、尼崎のミズベの未来を考えました。

運河を知り尽くす3人のセンセイ


キャンセル待ちが出るほど多数のお申し込みをいただきました

 今回のキャンパスは、北堀運河の目の前にある「北堀キャナルベース」。センセイは、武庫川渡船の宮本悦男さんとネイチャークラブ代表、徳島大学・芦屋大学非常勤講師の中岡禎雄さん、尼崎運河○○クラブの岸本幸三さんです。それぞれ違う角度から運河を考え活性化に取り組まれるお3方の話を、3つのグループに分かれて順番にお聞きしました。


宮本さんは釣り人が釣った魚を子ども食堂などに届ける「フィッシュシェアリング」(詳細は画像をクリック)の活動もされています

元中学校教諭の中岡さんはここで15年前から水質浄化の活動をされています

岸本さんはNPO 法人21世紀の森の理事や尼崎モルッククラブなど、運河周辺を楽しむ活動を幅広くされています

日本で最先端の施設がここにあった!


水質浄化施設の詳しいパンフレットはこちらの画像をクリック

 中岡さんのチームは、2013年にオープンした水質浄化施設を見学。海の生き物の力で運河の水をきれいにする日本で最先端の施設です。尼崎運河には窒素やリンなどの栄養が多く含まれており、植物プランクトンなどが過剰に増殖。それらが死んで沈んだ有機汚泥は、バクテリアによって酸素が大量に消費され川底の汚いヘドロの原因になっています。


糸を出して増殖するコウロエンカワヒバリガイ。見た目はシジミのよう


 この施設では、1分間に50リットルの水を吸い上げ、二枚貝のコウロエンカワヒバリガイに窒素やリンなどの水の濁りを食べてもらいます。糸を出してどんどん増える貝はヘドロになる前に引き上げて堆肥に利用します。


出ている泡は、藻が光合成をして出した酸素。天気が良かったのでよく見えました

 濁りがなくなった水は、自然繁殖した藻が生えた通路を流れます。藻は光合成をして酸素を出し、生き物がすみやすい水にしてくれます。


育てたヨシですだれやコースターを作っているそう

 きれいになった水は干潟エリアに流れ、そこにはカニや小魚などたくさんの生き物がすんでいます。住処になる岩場や干潟、潮だまりを作ることで、小さな生き物のゆりかごになっているそう。「見える生き物がいるということは、見えない生き物もいっぱいいると思います」と誇らしげな中岡さん。


施設の周りに設置した魚の住処を引き上げると…たくさんのスジエビとチチブが!


 この施設にある機械は水を汲み上げるポンプのみですが、約4時間で窒素やリンが約6割取り除かれるというから驚きです。生き物の力ってすごいんですね。普段はネイチャークラブ(HPはこちら)の中学生や徳島大学の学生の研究の場になっています。月に一度の「オープンキャナルデイ」では一般の参加も可能ですので、実際に作業をしてみたい人は訪れてみてくださいね。


増殖した貝や藻はヘドロになる前に引き上げて堆肥を作っています
その堆肥を入れた「循環畑」で菜の花を栽培し、菜種油も作られています

ベイエリアを楽しみ尽くす


キャナルサップの服装で説明をする岸本さん

 岸本さんの所属する尼崎運河○○クラブ(HPはこちら)は、ベイエリアをさまざまな形で楽しむ活動をしています。例えば、「Amagasaki Canal SUP」では安定感のあるパドルボートに乗って水上散歩をしています。波のない運河は初心者にぴったり。慣れてくると尼ロックを通過するコースや藻川を上るツアーにも参加できます。興味のある方はFacebookページ(→こちら)をチェックしてみてくださいね。


2019年に開催した様子。夕日を見ながらビールとおつまみで乾杯!

 新たな取り組みとして2019年からはじめたのが「CANAL FRIDAY」(詳細はこちら)。金曜の夕方から運河でカラオケ大会をしようという試みです。この辺りの工場で働いている人に立ち寄ってもらい、一杯飲んで歌を歌ってもらおうとはじめたそう。コロナで中止が続いていましたが、ようやく9月23日(金)に次回の開催を予定しています。「これから工場対抗歌合戦とか、屋形船でカラオケとかやってみたいんですよね」と岸本さんは夢を膨らませていました。


船から工場地帯を眺める


船長は武庫川渡船の宮本さん。30分のクルージングを楽しみました

 皆さんお待ちかねのクルージングは、北堀キャナルベースから尼ロック、庄下川を往復するコースです。今回は、武庫川渡船の宮本さんに船を出していただきました。運河は工場地帯にあるので日常的に訪れる機会は少ないですが、実は見どころがいっぱい。有刺鉄線を作る会社、甲子園球場のバックネットや明石海峡大橋を吊るす線を作っている工場、世界のチタンの4分の1を生産している会社など、「さすが尼崎!」と思わずにはいられない工場が多くあります。


尼崎を津波から守っている尼ロック

マニアにはたまらない配管も近くで見ることができました

 尼崎の海から見た大阪の街を歌った上田正樹の『悲しい色やね』を聞きながら見る工場地帯に、参加者は大満足の様子でした。

運河の未来を考えるキャナルトーク


3つのグループに分かれて意見を出し合いました

 後半は、前半の感想共有や運河でやってみたいことを話し合いました。参加者からは「夜景クルーズで夜の工場を撮影したい」や「風をキーワードに見たり聞いたりしてみたい」、「防潮堤や防災についてもっと学びたい」などの意見がありました。やはりアクセスの問題は大きく「ハローサイクルのポートを設置できないか」や「場所が分かりにくいので人が集まりづらいのでは」などの声もありました。


その他にもたくさんのアイデアが集まりました

 次回のオープンキャンパスは、「推し活は研究のはじまり 大学で見つけるマイ研究」をテーマに、園田学園女子大学で開催します。ついにリアル大学とタッグを組みますので、興味のある方は「みんなの尼崎大学」のSNSや市のHPをご覧ください。ご参加お待ちしております。


この記事を書いた人

みんなの尼崎大学事務局

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