ごきげんさんに暮らすまち、尼ノ國

突撃!尼ノ役所

写真、健診に来たライターの坂本さん親子
母娘での取材は、かなり新鮮!

 尼ノ物書キ組の局長の坂本です。みなさんは「尼っ子健診」を知っていますか。「尼っ子健診」は、市内の11歳、14歳の子どもを対象にした健診です。私は現在、14歳の娘がいるのですが11歳の時に受診させていません。それは、事前に送られてきた質問表の項目の多さに「書くのが面倒」とくじけてしまったから。また、学校でも健康診断を受けているから、必要性を感じなかったのです。

 そんな意識の低い私が、14歳の娘がいるということで、母娘で「尼っ子健診」の取材を担当することに。さてさて、どんな取材になるのでしょうか。

予想以上に多くの人が訪れていた健診


写真、順番待ちの番号札を持つ手
早めに会場に行ったつもりが、10番目

 まずは、健診へ。健診は、完全予約制。土曜日、日曜日は、満員になるのが早いそう。今回、私が選んだ会場は、武庫之荘にある「尼崎市女性センター・トレピエ」。9時30分開始の少し前に会場に着くと、すでにたくさんの人たちが。こんなに受診する人がいるのかと驚く私。「けっこう時間がかかりそうやなあ」と母娘で、ちょっと苦笑い。


写真、受付の様子
いよいよ健診開始。受付でカードと質問表を渡す

 健診が始まると、思いのほかスムーズに人が流れていきます。受付、検尿、身体測定、血圧、採血、診察。所要時間は30分程度。ほとんど待つこともなく、健診は終わりました。
「そんなに時間かからへんねんな~」とつぶやく娘。


写真、血圧を測ってもらう様子
血圧を測定。少し緊張気味?

 最後に、保健指導の予約をとります。健診の結果は、この時にもらえるとのこと。「え~。また行かないとあかんの…」とぼやく娘の声は聞こえないふりをして、会場を後にしました。

保健指導での保健師さんの優しい言葉に救われた


写真、会場に向かう坂本さん親子
保健指導は、健診と同じ会場の尼崎市女性センター・トレピエで

 保健指導の日は、あいにく土砂降りの雨。「メールとかで結果を教えてくれたらいいのに」と、少し機嫌が悪い娘を連れて、会場に。保健指導は、集団と個別の2通りあります。その子の結果に合わせて、どちらかの指導を受けることになります。


写真、個別に渡される尼っ子健康ファイル
予想以上に立派なファイルが手渡され、驚く

 保健指導は、保健師さんが担当。「これをどうぞ」と、にこやかに渡されたのは、「尼っ子健康ファイル」。なかを見ると、「健診結果」「からだ理解」「食事」「運動」の4つの項目に分かれています。

 まずは、健診結果の説明から。単なる数値の羅列でなく、図や表を使って丁寧に説明してくれます。さらに、食生活や適度な運動のアドバイス。食材の模型を使っての食事指導では、明らかに我が家は食べすぎということが判明。あわてる母娘に「絶対というわけでなく、まずは適量を知ってもらいたいんです。少しずつ気をつけてもらえれば」と、どこまでも優しい保健師さん。

 確かに、知ると知らないでは、大きく違う。この健診と保健指導を通して、我が家でも食事に対する意識が少し変わった気がします。例えば、朝に野菜をできるだけ食べるようにしたり、炭酸などのジュースを飲むのを控えるようにしたり。


写真、健診結果を聞く坂本さん親子
健診結果を神妙に聞く娘

 実際に健診、保健指導を受けるなかで、質問したいことができた私は、健康支援推進担当を取材することに。答えてくれるのは、保健師の大久保さんと山田さん。


写真、インタビューに答える保健師
丁寧に説明をしてくれた大久保さん(左)と山田さん(右)

平成22年から始まった尼っ子健診。どういう経緯でスタートしたのでしょうか


50代で脳梗塞や心筋梗塞などの血管障害を起こしている人は、いつ頃からその傾向が出てくるのかをさかのぼると、すでに30代で肥満になり、40代で血圧や中性脂肪、血糖値などが上昇していることが分かりました。そこで、より若い世代の健康実態を調べてみようと若い人たちへの健診を実施したところ、尿酸が高いなどの異常が2割もあることが判明。「16歳でも遅い!もっと早く健診する必要がある」ということで、尼崎市では11歳と14歳の2回にわたり、尼っ子健診を実施することを決めたんです。


30代や40代から健診を実施している都市が多いですが、こんなに早くから実施しているのは尼崎だけ。11歳、14歳、16歳と子どもの頃から健診結果をもとに、成長を確認したり、生活習慣を振り返ったりすることで、自分の体の状態を知ることができます。そうして自分に合った生活習慣を選択していくことが、将来の生活習慣病の予防につながります。

受診率は伸びているのでしょうか?またどれくらいの受診率でしょうか



順調に伸びてきています。平成22年は27%だった受診率も、平成28年には34.6%に。受診率が伸びてきた要因として、平成23年から実施している幼稚園、小学校、中学校での生活習慣病予防の授業が大きいと思います。私たち保健師が直接学校へ行き、まず100gの野菜を1人分ずつ用意して食べてもらうんです。毎食これぐらい食べてほしいと。あわせて、生活習慣やバランスのよい食事の大切さを伝えています。そして、それをチェックするのが健診なんだよって。


写真、尼崎市内の中学校で配布される独自の教科書
市内の中学校で配布される尼崎市独自の教科書

受診時に提出する質問表がかなり細かい気がします。もう少し平易なものにならないのでしょうか



詳しく書くことで、普段の何気ない生活習慣に意識を向けることができます。また、質問表を通して、親子でコミュニケーションをとってもらうことも目的です。「毎日、何を食べているだろう」とか。お菓子ひとつにしても、お互いの認識が違っているのが分かったりして、面白いんですよ。菓子パンは、お菓子なのか、ごはんなのかとか(笑)。

これは、うちの娘からの質問なんですが(笑)。「健診後の保健指導は、メールや郵送ではだめなのでしょうか」と。すみません。土砂降りの雨の中、連れて行ったのを、まだ根に持っていまして…



(笑)。数字の結果だけを見ても、よく分からなかったりしませんか。それを分かりやすく説明していきます。また将来、生活習慣病にならないために、これから何に気をつければよいのかということを一緒に考えていくうえでも、直接お話することを大切にしています。

活動するなかで、お2人の想いなどをお聞かせいただいてもよろしいでしょうか



予防することの大切さを伝えていきたいですね。将来病気にならないように、それぞれのライフステージに合わせたお話をしながら、子どもたちに自分の体に関心を持ってもらえるような活動ができたらうれしいです。


以前、乳幼児の健診を担当していましたが、尼っ子健診で子どもたちの成長過程が見られ、長いスパンで関わりが持てるのがうれしいですね。尼崎市は、将来にわたって健康と体を見守っていく。これは、子どもたちの成長や夢を応援することにつながると信じています。


 親は、子どもが元気にしていれば、健康だと思いがち。けれど、尼崎はきめ細やかな健診を通して、将来の病気の芽を摘み、守ってくれようとしている。「尼崎っていいな」。改めて実感した取材となりました。











取材・文 尼ノ物書キ組

坂本恵利子

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