ごきげんさんに暮らすまち、尼ノ國

尼ノ学校

「子どもに英語でコミュニケーションできるスキルを」と願うお母さんお父さんは多いのではないでしょうか。尼崎市では、市立中学・高校に通う生徒を対象に英語力の向上をサポートする『英語学習ホップ・ステップ・ジャンプ事業』を展開しています。「体験を通した実践的な英会話能力を養うこと」に重点を置いた事業ですが、一体どのような内容なのでしょうか。教育委員会の担当者、「ステップ」事業の引率の先生、参加した生徒3名にお話をうかがいました。

Q.最初に教育委員会の担当の方にうかがいます。『英語学習ホップ・ステップ・ジャンプ事業』とは何ですか?


 尼崎市立の全中学校を会場として実施する英検の受験料を1,000円補助する「ホップ」、中学2年生を対象に3泊4日の英語合宿を行なう「ステップ」、高校2年生を対象に海外で4週間の語学研修を行なう「ジャンプ」。その名の通り、ホップ・ステップ・ジャンプと段階を踏むことで、英語に対する興味や関心を育み、コミュニケーション能力を高めていってもらえたらと考えています。

海外語学研修となると、ハードルが高いですが、その前段階として市立美方高原自然の家とちのき村(香美町)で英語合宿があるのはいいですね。どのような内容ですか?


 ネーティブスピーカーや英語の指導者と一緒に合宿して、実践的な英会話能力を養うことを目的にしています。国内にいながら、「All English!」の4日間です。

 ネーティブスピーカーから正確な発音を学んだり、家族や趣味など「私ってこんな人」ポスターをつくって自己紹介したり、グループに分かれて「外国人観光客に紹介したい尼崎のいいところ」「私たちが暮らしたい将来の尼崎」についてプレゼンテーションしたり。

 初日は緊張してガチガチだった子も、最終日にはみんなの前で堂々と発表するほど大きく成長していました。

いきなり英語漬け、しかも4日間。なかなかしんどいと思いますが、楽しく取り組める工夫はされていますか?


 もちろん、お楽しみもたくさんあります。天体観測やキャンプファイヤー、歌にダンス、体操も。

 あと飯ごう炊さんでは、英語やジェスチャーでコミュニケーションをとりながら、ネーティブスピーカーが店員になったお店で食材を買い、生徒同士、力を合わせてカレーやハッシュドビーフをつくりました。後から聞いたのですが、この時、引率の教員がポロッと日本語を喋ってしまい、すかさず生徒たちに『You speak Japanese!』とつっこまれ、『Oh! Sorry,sorry』と慌てて謝ったそうです。そういうやりとりも、みんな楽しんでいましたね。上手に英語をしゃべれなくても、ジェスチャーを使って、コミュニケーションをとろうと前向きにチャレンジする生徒たちの姿が印象に残っています。

実際に参加した生徒のみなさんは参加してどうでしたか? 感想を教えてください。


苦労したことは、グループプレゼンテーションで、自分たちで考えた文章を日本語から英語に翻訳して、みんなの前で発表したことです。最初は英語が好きだけど得意ではないので、みんなと英語で会話できるかなと不安でしたが、参加してみたら思っている以上に楽しかった! 日常会話を学べましたし、みんなでダンスしたり歌ったりする機会も多く、合宿後は英語の歌を聴く機会が増えました。


歌にダンス、何日経っても忘れられないくらい、楽しすぎました。合宿が終わってからも、友だちと歌ったり、踊ったりします。最初は「参加してみたい!」という気持ちはありながら、英語で話すことに不安感がありました。でも、今なら「やってみたら、楽しいからやってほしい」と後輩にすすめると思います。


将来の夢は、インターナショナルスクールの先生や通訳者など英語に関する仕事に就くこと。今回、ネーティブスピーカーの先生から発音を聞けてよかったです。「ジャンプ」に参加すれば、さらにしっかりした英語が学べると思うので参加したい。大学生になったら、今度は引率する側として参加できればとも思っています。

英語合宿を引率されていた先生は、実際にそばで見ていてどうお感じになられましたか?


 子どもたちの成長には目を見張るものがありました。他校の生徒たちとの交流でコミュニケーション力も向上したと思います。「ステップ」は夏休み中に行なわれたので、「2学期からの英語の授業が楽しみ!」という意欲的な姿勢も見られました。これからの成長が楽しみですね。

最後に教育委員会の方にうかがいます。「ステップ」に参加した生徒たちも参加したいという「ジャンプ」。どんな内容ですか?


 市立高校の2年生を対象にしています。平成28年度はマレーシアに渡り、ELC語学学校に入学して4週間の学生生活を送りました。

 語学の授業を受けるほか、現地の大学のオープンキャンパスに行ったり、休日にはマラッカ観光に出かけたり。休み時間にはサウジアラビアやタイなどクラスで仲良くなった人たちと談笑する姿も見受けられました。

 報告会では「もともとは内気で人に頼ってばかりの性格だったが、研修中に英語で買い物をして、値切ることに挑戦できるまでになった」「中東アジアなどイスラム系の留学生と交流できて、視野が広がった」「自分の国の文化に対しての知識が足りないことに気づいた」のほか、「2020年の東京五輪までに、もっと勉強して、日本と世界の橋渡しをしたい」と夢を語る生徒もいました。

「ステップ」も「ジャンプ」も体験型。一人ひとりがそれぞれの気づきや学びを得ていますね。


『英語学習ホップ・ステップ・ジャンプ事業』を通して、普段は体験できないことを、実際に観て、触れて、感じて、またとない貴重な経験を積んでくれることを願っています。


【尼ノ國 動画】尼崎の未来へつなぐ、「ホップ・ステップ・ジャンプ事業」インタビュー【撮影場所】尼崎市立大庄中学校



取材・文 尼ノ物書キ組

谷口雅美

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